第八話 アヤナVSアマネ | ディファレント・ワールド


 アヤナは大巫女との話が終わり、社の廊下を歩いているときに、声をかけられた。
「大巫女様は何だって?試験を受けるっていってたわね」
アマネが知らないのはあの話の場にはいなかったからである。アマネには巫女として仕事がまだ残っていて、別の所に行っていた。
「アマさん」
あの後の大巫女とのやり取りについて説明した。

「アヤナ、さびしくなるが、お主を送り出したいと思うでの」
「アマテラスって何ですか?」
アヤナは自分の世界でも聞いたことある単語だと思ったが、何だったかは覚えていない。
「この世界の人間なら皆、知っていることじゃがな。そうじゃのここの言うなれば、アマテラスじゃな。アマテラスは民兵組織じゃ」
「民兵って、軍隊?兵士よね。ここ軍隊だったのー」
アヤナは民兵という言葉に驚いた。ここに来てから、民兵・軍隊だと感じたことは無かったからである。
「正式な軍ではない。社の為の組織じゃ。正規軍からアマテラスへ委託されていることもある。その他は独自の活動をしておる」
「正規軍って。自衛隊?」
アヤナの世界にも軍隊はない。自衛隊である。こちらの日本には軍隊があるようである。
「よくわからんが、自衛隊とは何じゃ?軍の一部の部隊か?」
「自衛隊は自衛隊です。軍とは名乗っていませんが・・・」
「そうか、まぁいい。正規軍は日本正規軍ことじゃ」
“いいのか”という感じではあるが、大巫女は話を進めた。
「前にも話したが民兵組織はアマテラス以外にも、ヤタガラスとオロチがおる。オロチは我等の敵じゃ。ヤタガラスと共に打倒を目指しておるのじゃ。アマテラスに入れば、彼のこともわかるかもしれぬぞ」
(聖斗のことがわかるかも・・・)
オロチはこの世界でどういう存在なのだろうか?気になるところである。
「よく、考えてくれぬか」
そして、大巫女は歩いて、どこかへ行ってしまった。

「・・・そういうことね」
アマネはアヤナの説明を聞き、そう呟いた。
「アヤナちゃんのこと、認めているってことよー」
アマネは大巫女と社にいる期間が長かったので、大巫女のことはある程度、理解していた。
「試験は誰しもが受けられるわけじゃないの。亜人に準ずる力を持っていることが最低条件、そしてアヤナちゃんみたいに、巫女のバイトしたりして、推薦を貰ったりするの。もらえない場合だってあるのよ」
「そんなに難しいんですか?」
「難関だわ。私も大変だったんだから」
アマネでも最初の頃は手こずっていたことに、アヤナは以外にも驚いていた。
「何か自信・・・」
「以外にも弱気じゃない。後、あなたのことは聞いていたわ。今まで触れなかったけど」
アマネが触れなかったこととは、アヤナがこの世界に来る前の話、アヤナが大巫女に話したことだ。大巫女が以前にアマネに話していたのだろう。
「私みたいに、アマテラスに正式に入隊すれば、彼のこともわかるかもしれなし、大巫女様もいってたと思うけど、あなた達を襲ったのは、オロチしか考えられないわ。奴ら、強引だもの」
「あいつら、とんでもなく恐怖を感じたし、強かった」
「強くなりたいなら、入隊することを進めるわ。養兵所にいけば、亜人としての力をステップアップ出来るから、まぁー、最後は自分次第なんだけどね」
アマネは窓から見える遠くの景色を見つめながら言った。アヤナも同じように聞き入っていた。そして、アヤナは、腕に巻き付けている、時計のようなものを見る。触ると、ホログラムが出てきた。時間を示している。
「そろそろ時間なので、アマさんありがとうございます」
「そうだったわね。わたしもいかなくちゃ」

そして、アヤナも今日が終わる。アヤナは自分の部屋の布団の中で天井の壁をみつめながら、じっと考えこんでいた。そして、あることを思いつく。
(やって見るしかないわね。それにしても向こうはどうなっているんだろう)
アヤナはそう思い、目を閉じて、寝た。

 「お願いします。急ですけど」
アヤナは翌朝、アマネの所に行き、あるお願いをした。話を聞いた、天音は。
「うーん。あなたが考えた答えがそれね」
「はい、アマさん。いや、天音先輩」
アヤナは真剣な表情だった。
「うん、わかった。やりましょう。今日はあまりやることないし。ちょうどいいわ」

午後に入った、アヤナとアマネは、社の裏山の中にいた。今いる場所は、山の中でも開けている場所である。二人は木刀を持っている。辺りは繁みに囲まれ、静かだ。
「刀術は得意よ!というか、アマテラスは刀術が主流なの」
「あたしも、自信はありますよ。向こうでは、結構やってたんですよ!」
刀術とはこちらで言う、剣術のことである。
「さぁー、始めましょ」
「はい」
すると、アヤナは構えの姿勢を取る。しかし、アマネはそうはしなかった。木刀を持って、立っているだけである。そして、アヤナが睨みの力、“圧気”をアマネに放った。アマネの表情に変化は無かった。
「余裕ですね?本気何ですけど」
「本気?もっとでしょ」
アマネはこの時、アヤナの圧気を受け流していた。
ビュ―――ン
アヤナは奇襲のごとく、アマネに木刀を打ち込んだが、受け止められる。アヤナは、自分の“圧気”を木刀に流し込んでいた。修行中の成果である。圧気のコントロールが上達してきている。
「もちろん、お見通しよ」
打ち込んだ、木刀は跳ね返される。
「これが、初対面で闘っても同じ結果になったわよ。アヤナちゃん」
「・・・」
アヤナは沈黙である。思っていたことが、そのまま言われてしまった感じであるからだ。ようは初対面で闘ったならアマネに当てられただろうという浅はかな考えを持ってしまったからだ。
「やっぱり」
「こんなの、当たり前ってことを理解してね!」
そう言って、アマネは圧気を強めた。アヤナも自分の圧気で持ちこたえている。
「あいつらと同じくらいの感じるんだけど」
「アヤナちゃん、せっかくだから、あなたより一段上の力、上位の覚醒、“成熟化”を見せてあげるわ。専門用語多かったかな。ごめん」
そして、強く放たれていた“圧気”が静まった。アマネは両目をつぶった。
「まさか。それが力なの?」
「そう。いつでも、仕掛けて」
アヤナは木刀に力を全力で込める。アヤナの圧気は高いまま、維持している。木刀で一気に打ち込んだ。その時、肩をめがけて。
「左肩そして、右脇腹かしら。アヤナちゃん、合ってる?」
すでに、左肩を狙おうとした時点、もう、当たりそうという所で、木刀を掴まれてしまった。
「それが、アマさんの力・・・ていうか、あいつらも似たようなことを」
「”心感“っていうの」
「これも、当たり前なの?」
「私より上位は、みんなそうなの。これでも私はアマテラスの中でも、下なのよ」
「これ以上ってどれだけ」
「本当にとんでもないよ。あの人たちは。天才ぞろいよ。私はがんばっても凡人なのかもね」
「・・・・」
アヤナはアマネの話を聞いていた。話を聞いて、“アマテラス”は化け物揃いの集団なのかと思った。ただ、アヤナは武者震いしているが、怖気づいているわけではない。まだ、入ってもいないのだから。以外にもアヤナには前向きな所がある。こちらに来て、アヤナの中で何かが変わったのかもしれない。
(ここで生きていくには、世界を知って、強くならなきゃ。あいつも探しだせないし)
そして、アヤナは大きな決断をした。
「あたし、傭兵所の試験を受けるに行きます」
アヤナの後ろの繁みから、落ちている葉っぱを踏みしめている音がした。
「誰?」
「わしじゃよ」
幼い声が返ってきた。
「大巫女様ですか。驚かさないでくださいよ!」
「いつから?」
アヤナは大巫女がどれくらいから、繁みに隠れていたか聞いてみた。アヤナには後ろの気配を全く感じていなかった。
「最初からじゃ」
「私も気づかなかった。アヤナちゃん、こう見えて大巫女様はすごい人なのよ」
「アヤナよ。改めて答えを聞きたい?」
「受けます。推薦お願いします」
「お主には、才能がある。きっと、やれるじゃろう。女子達の中でも」
「え?・・・女子だけなの。軍隊みたいなところなのに」
「アヤナちゃん、言ってなかった?“アマテラス”は男子禁制なのよ」
「アマネ、言ってなかったのか?」
「ええ。大巫女様もですよね」
「そうじゃが。どっちも言って無かったか!」
そのやり取りを聞いた。アヤナはポカンとした表情をしていた。
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